気ままにメモランダム

ケニア旅行で予防接種は必要か?

入国に必須?実際に必要?

ケニア入国に予防接種は不要

ケニア旅行を決めてから、ふと、
「そういえば、アフリカは伝染病とかの予防接種が必要なのでは?」と疑問に思い、まず、外務省や在ケニア日本大使館のHPを調べてみました。

外務省のHP

ケニアはWHOより黄熱汚染国に指定されておりますが,現在ケニア全土で黄熱が流行しているわけではありません。黄熱ワクチンは日本から観光目的でケニアを訪れる場合には必ずしも接種が必要なワクチンではありませんが,他国を経由する場合や出入国審査官の裁量でイエローカード(黄熱ワクチン接種証明書)の提示を求められることがあります。健康に問題のない方は無用なトラブルを避けるためにも黄熱ワクチン接種をお奨めします。
世界の医療事情 ケニア|外務省」HP、「5 かかり易い病気・怪我(4)注意すべき感染症と風土病「黄熱」より)

ケニア入国に際して義務づけられた予防接種はありません。しかしケニアはWHOの黄熱汚染国に指定されており、経由地によっては黄熱ワクチン接種証明書(イエローカード)の提示を出入国審査時に求められることがあります。特にイエローカードを持っていないとケニアから他国へ移動する事が困難になります。その他滞在が長くなる方は,A型肝炎,B型肝炎,破傷風,腸チフス,髄膜炎菌(4価)ワクチンも接種しておいた方がよいでしょう。
世界の医療事情 ケニア|外務省」HP、「予防接種(ワクチン接種機関を含む)(1)赴任者に必要な予防接種(成人、小児)」より) 

在ケニア日本大使館のHP

日本からケニアのみを短期旅行(出張)し日本に戻ってくる方
日本は「感染危険国」でも「証明書要求国」でもないので、ケニア入国及び日本入国にはイエローカードが必要ありません。主な乗り継ぎ地のアラブ首長国連邦(ドバイ)、カタール(ドーハ)、トルコ(イスタンブール),香港についても、「証明書要求国(地域)」ではありません(2011年1月16日現在)。ただし、タイ(バンコク)など「証明書要求国」で乗り継ぎをのみの場合には,確認されませんが,乗り継ぎ時間の関係で一時入国する場合には確認されますので注意が必要です。
「在ケニア日本大使館HP 黄熱予防接種証明書(イエローカード)携行の必要性について」より)

以上のように、ケニアへの短期旅行では予防接種は義務ではありません
実際、ケニア入国時や日本に帰国時にも、イエローカード提示も求められなかったですし、何も聞かれませんでした。

イエローカード

受けておけば安心

黄熱の予防接種は義務ではありませんが、外務省のHPなどでは勧めています。
実際、黄熱の予防接種は受けたほうがいいのでしょうか?
他の予防接種はどうでしょうか?
費用はどれくらいかかるのでしょうか?

厚生労働省検疫所(FORTH)のHPによると、ケニアは「黄熱に感染する危険性がある国」に指定されています。
しかも、ケニアの南部、ナイバシャやアンボセリ、マサイマラなどの国立公園がある地域は、『黄熱予防接種推奨地域』に指定されています。
「厚生労働省検疫所」HPより)

そこで、事前にできる限り情報収集したうえで、以下の点を考慮して、予防接種するか否か妻と検討しました。

● 予防接種をしたという安心感が得られる。
(滞在中、予防対策に過度に神経質にならず、観光に集中できる。)
● 宿泊場所が湿気が多い湖畔にあり、蚊に悩まされたという情報がある。
● 発病した時点で旅行が中止になる。
● 発病のタイミングによって帰国が遅れたり、または、帰国後に会社や学校を休まなくてはならない。
● そして何より、死亡する危険性がある。

以上から、お金がかかっても、予防接種は受けておいたほうがいいという結論になりました。

黄熱の予防接種

まず、黄熱ワクチンの接種を実施している機関への予約が必要です。

東京エリアでは、東京免疫所があります。

東京検疫所
接種日時・・・毎週火曜日午後
予約受付・・・平日9:00-12:00,  13:00-17:00

他にも以下の場所で受けられます。
「公益財団法人日本検疫衛生協会東京診療所」
「国立研究開発法人国立国際医療研究センター病院トラベルクリニック」
「東京医科大学病院 渡航者医療センター」
「厚生労働省検疫所」のHPより)

(注)2018年8月現在の情報です。情報が変わっている場合があります。各機関に問い合わせる等、事前に確認するようお願いします。

黄熱の予防接種が受けられる機関が限られているうえに、黄熱ワクチンの在庫不足で受けられなかったり、1セット5人分で余ると保存できないため、希望者が5人集まらない(5の倍数にきっちり達しない)と断られる場合もあるとも聞きました。(現在、「在庫不足」や「5人分セット」の件は、改善されたと聞きました。ただし未確認情報です。)

さらに、接種日から10日後にワクチンが有効になるため、黄熱予防接種推奨地域(今回で言えば、ナイバシャ。ナイロビではない)に入る日から遡って十日以上余裕を持って接種する必要があります。

いつでも接種できると甘く考えていたので、家族3人の予約を取るのにすごく苦労しました。出発日まで10日を切る日にちしか空いておらず、断られたこともあります。

あまりにも予約が取れずにツアー会社に相談したところ、「ケニア入国にイエローカードは必須ではなく、受けずに行かれる方も結構いるので、最悪、受けられなくでも、心配しすぎないでください」とアドバイスをいただきました。

結局、自分と妻は間に合いましたが、他の都合で日程の調整がなかなかできなかった娘は、出発の7日前、つまりケニア3日目に効果が出るタイミングで予約が取れました。医者の「やらないよりはマシ」という助言もあり、接種しました。

このような経験から、黄熱の予防接種をされる場合は、時間の余裕を持って計画されることをお勧めします。

気になる費用ですが、東京検疫所では、1人11,180円でした。(国際証明書発行手数料を含む。)

注 意

今まで唯一、国内で承認され使用が許可されていた「黄熱ワクチン」の製造中止に伴い、代わりのワクチンに対する「安全性情報収集のための研究」が2018年11月より実施されると、厚生労働省がHP上で発表しています。(2018年9月14日付)

その結果、負担費用が上述とは変わっています。

また、この「研究」では、予定症例数(約10、000人)や予定期限(2019年5月31日頃まで)を設けているようです。費用等、研究終了後の条件が変わる可能性がありますので、今後、黄熱の予防接種を予定されている方は、最新情報のご確認をお願いします。

【参考】

厚生労働省HP「黄熱ワクチン供給に関する検疫所等の対応について」

国立研究開発法人 国立国際医療研究センターHP「黄熱に対するワクチンStamaril®︎被接種者における安全性情報収集のための研究」の実施について」

その他の予防接種

今回、自分は東京検疫所で黄熱の予防接種を受けましたが、電話予約の際に勧められたのが、A型肝炎大人用3種混合(破傷風、ジフテリア、百日咳)でした。

東京免疫所の近くにある病院を紹介されて、自分で直接電話で予約して、黄熱の予防注射と同じ日にこれらの接種も済ませました。

A型肝炎と3種混合の接種証明書

費用は、1人22,100円でした。
黄熱の予防接種代と合わせると1人33,280円。娘が幼い頃に接種済みのものもありましたが、それでも家族全員で8万円程度かかりました。

他にもいろいろと準備にお金がかかる中で、正直、“痛い”出費でしたが、途中で旅行が中止になるよりはマシ、と納得しています。

なお、黄熱の予防接種は生涯有効です。
将来、イエローカードが必要な国に行く予定があれば、安い「保険」かもしれません。

今回の旅行の結果は?

今回の経験に限って言えば、黄熱を媒介する蚊に悩まされることは屋内外ともほとんどなく、7日間の滞在で刺されたのは1回だけでした。
コテージも清潔で、様々な感染病を媒介するダニに対する不安もありませんでした。

旅行会社から、宿泊先は評価の高いところばかりです、と聞いていましたが、その言葉どおり、どのコテージもゆっくり休むことができて、家族全員、病気はもちろん、体調を崩すことなく全日程を楽しむことができました。

ちゃんとしたサービスを提供する宿泊先は病気予防になると実感した、今回の旅行でした。

ちなみに、コテージの詳細は以下の記事で紹介しています。
是非、こちらもご覧ください。
Lake Naivasha Sopa Lodge(「カバだ!ナイバシャ!」)
Ol Tukai Lodge(「アンボセリでゾウ三昧」)
Fig Tree Camp(「マサイマラ の美人ライオン?」)

念には念を入れて、最初にコテージに入るときは、散布するタイプの虫除けスプレーを部屋中にスプレーして、外出時には日本で購入できる一番強力な虫除けスプレーを念入りに肌に塗りました。
(詳しくは「ケニア旅行の必需品・便利グッズ」をご覧ください。)

予防接種をして、安心なところに泊まって、さらに念を入れて対策したという安心感から、日中は病気のことをほとんど気にせずに行動できました。
そういう意味では、予防接種はいい”保険”だったと言えます。

最大2,500万円の旅行傷害保険

© 2024 Koba家の世界地図 Powered by AFFINGER5